進路と逆方向の「盲点」捜索 陸から遠ざかるよう飛行か―陸自ヘリ事故、20日で2週間

東京, 4月20日, /AJMEDIA/

沖縄県・宮古島周辺で10人が乗った陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶った事故から、20日で2週間となる。墜落した機体とみられる物の周辺で6人が見つかったが、依然4人の行方は分かっていない。発見場所はヘリの進路と逆方向で、捜索の「盲点」となっていた。自衛隊は付近を重点的に捜すとともに、事故直前、陸から遠ざかるように飛行した可能性についても調べている。
 ヘリは6日夕、宮古島を出発し海岸線に沿って池間島まで北上。伊良部島に向かって南西に進路を変え、離陸の10分後に陸まで2キロ余りの海上で行方不明になった。
 直前の交信や映像から、機体は高度約150メートルを飛行中、突発的な異変が生じたとみられており、自衛隊などはまず、レーダー消失地点からヘリの進路方向を重点的に捜索。しかし、機体とみられる物は13日、進路とは逆の、消失地点から約4キロ離れた海域で発見された。
 自衛隊はこの周辺海域で、装置で水圧に順応したダイバーが深海で作業する「飽和潜水」による捜索を連日実施。ただ、潜水スーツには空気を送るホースや通信ケーブルがつながっており、移動は狭い範囲に限定される。行動時間の制約や気象状況の影響で、広範囲には捜索できていない。
 防衛省幹部は「機体とみられる物の発見は大きな前進。起点として分析し、調べれば残る4人が見つかるのではないか」と期待する。
 機体は、レーダー消失地点近くに墜落後、潮流で流されたと推測されているが、機体とみられる物が見つかった海域と消失地点には距離がある。レーダーは探知高度より低いと映らないため、消失以降も制御を失ったまま低空を飛行したり、操縦士が不時着を試みて移動したりした可能性も出ている。
 飛行計画では、異常発生時は陸地に不時着する手はずだったが、自衛隊の元パイロットは「非常時にはまず、人けがない場所を探すよう訓練されている。操縦士も必死に陸から遠ざかろうとしたのかもしれない」と話す。陸自は原因究明のため、飛行の詳細が分かるフライトレコーダーの回収を急いでいる。

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