東京, 12月26日, /AJMEDIA/
全日本に向けて掲げた「自分に勝つ」との目標の通り、樋口は逃げなかった。「緊張ですごく足が震えていた」。その中で、冒頭に大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を投入し、着氷が乱れたものの回り切った。その後も大きなミスなく滑り終えると、両拳を振り上げて「やったー」と叫ぶ。熱いものが、こみ上げた。
4年前は平昌五輪代表2枠の有力候補だったが、全日本で4位と失速して切符を逃した。その反省から今季は少しずつ調子を上げてきた。シーズンのベストスコアで自身を上回るライバルがいても、自分のペースで年末に照準を合わせてきた。
苦い記憶を振り払い、合計で自己ベストを14点以上も上回る221点台を出して2位に。代表入りは濃厚となった。「五輪に挑戦するのは今回が最後と思いながら、強い気持ちで臨んだ。4年前と比べものにならないくらい精神的に成長した」。それを十分に証明したフリーだった。