米EV市場で値下げ競争 テスラに応戦、新興メーカー苦境

東京, 2月20日, /AJMEDIA/

米国で電気自動車(EV)が価格競争の圧力にさらされている。約6割のシェアを握る最大手のテスラが、EV購入に関する優遇税制の見直しをきっかけに値下げし、一部メーカーが応戦しているためだ。日本勢は静観しているが、大手に比べて経営体力で劣るEV専業の新興メーカーは、さらなる苦境に陥りそうだ。
 テスラは1月、スポーツ用多目的車(SUV)タイプの「モデルY」などを米国で最大20%値下げした。優遇税制の変更で、一定価格以上のEVが税控除対象から除外されたことを受けた措置のようだ。大手フォード・モーターも「競争力を維持する」として、SUVタイプのEV「マスタング・マッハE」を最大9%値下げした。
 EV専業の米新興メーカー、ルシッド・グループも赤字経営ながら、期間限定で実質的な値引きに踏み切る。販売台数を確保するために値下げで大手に追随した形だが、業績のさらなる悪化が懸念されている。
 一方、そもそもEV発売前か、売っていても少量にとどまるトヨタ自動車などの日本勢は、当面静観の構えだ。ただ、各社とも世界の潮流に歩調を合わせる形でEV拡大方針を掲げている以上、いずれ価格競争に巻き込まれるのは確実な情勢だ。
 米EV販売は伸びているものの、価格が高いことや充電設備の不足を背景に、現状では新車全体の6%程度にとどまる。米ゼネラル・モーターズ(GM)などはガソリン車で稼いだ利益で、EV事業の赤字を補填(ほてん)しているのが実情だ。バイデン政権は3月以降、優遇税制を再び見直す方針で、内容次第では市場の混戦に拍車が掛かる可能性がある。

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