照明弾巡り対立激化 豪、中国主張を否定

東京, 5月9日 /AJMEDIA/

中国軍機がオーストラリア軍ヘリコプターに至近距離から照明弾を投下したことを巡り、両国が激しく対立している。豪政府が「危険かつプロ意識に欠ける」と抗議したのに対し、中国政府は「豪軍が挑発した」と反論。豪側は8日、「国際法を守っていた」として、中国の言い分を全面的に否定した。

 豪政府の説明によると、黄海上の国際空域で4日夜、北朝鮮に対する国連制裁の支援任務に当たっていた豪海軍のヘリコプターに対し、中国空軍の戦闘機が約60メートル上方から照明弾を投下した。豪政府は飛行を妨害されたとして、「容認できない」と公式に抗議した。

 これに対し、中国外務省の林剣副報道局長は7日、「豪軍機が中国の領空に接近して挑発した」と非難。「中国軍は警告目的で必要な措置を講じた」と照明弾投下を正当化した。

 アルバニージー豪首相は8日、中国側の主張を「拒否する」と明言。「豪軍が国際空域で活動し、国際法を順守していたことに疑問の余地はない」と強調した。「あらゆる機会にこの問題を提起する」とも述べ、6月にも想定される李強首相の豪州訪問時に取り上げる意向を示した。

 中国が3月末に豪産ワインに対する貿易制裁を解除し、両国関係は経済面で改善が進んでいたが、照明弾投下が新たな懸案となった形だ。4月に日米比と共に南シナ海で共同訓練を行うなど、アルバニージー政権は安全保障面で中国へのけん制を強めている。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts