洋上事故想定外、発信機能なく フライトレコーダー―陸自ヘリ事故

東京, 4月20日, /AJMEDIA/

沖縄県・宮古島周辺で起きた陸上自衛隊のヘリコプター事故で、事故機に搭載されているフライトレコーダー(飛行記録装置)には洋上での事故を想定した機能がなく、位置を知らせる緊急信号を発信しないことが19日、防衛省への取材で分かった。
 フライトレコーダーは、一般に飛行高度や速度、エンジンの状況、操縦席の音声などが記録され、事故原因究明には欠かせない。これまでの捜索では発見に至っていない。
 防衛省によると、事故機「UH60JA」と同じ系統の海自・空自のヘリには、洋上事故を想定し、機体の外側にフライトレコーダーが取り付けられている。水没すれば外れ、海面に浮上して自動的に位置を知らせる信号を発信し、ストロボも発光する。
 一方、陸自UH60JAのフライトレコーダーは機内に固定され、位置発信機能もなく機体とともに沈んでしまう。事故機には衝撃や浸水で自動的に救難信号を発信する救命無線機(ELT)が機内に設置されていたが、これまでに信号は確認されていない。
 事故機は陸自第8師団の高遊原分屯地(熊本県)所属。同師団は鹿児島県・奄美大島も担当するほか、南西諸島での有事には、沖縄県の離島に応援部隊として機動展開する。今回の事故により、洋上を飛行する上で、安全対策上必要な装備が後回しになっていることが浮き彫りになった。

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