東電に賠償命令 国の責任は認めず―福島地裁支部

東京, 6月3日, /AJMEDIA/

 東京電力福島第1原発事故で地域のつながりを失い、精神的苦痛を負ったとして、福島県田村市都路地区の旧緊急時避難準備区域の住民ら525人が、国と東電に計約60億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、福島地裁郡山支部であり、本村洋平裁判長は東電に約7350万円の賠償を命じた。国の責任は認めなかった。
 本村裁判長は、放射線被ばくの不安や長期の避難生活による精神的苦痛を生じさせたとして、住民に対する慰謝料を約12億円と認定。既に住民が受領した約11億3000万円を差し引くなどして賠償額を算定した。国に予見可能性があったとは認めなかった。
 訴状によると、原告らは山菜やキノコ採りを生きがいとしていたが、原発事故により、地域の自然環境やつながりが失われたとされる。
 判決後、原告の今泉信行さん(74)は「丸8年やってきたが、国の責任が認められないのは非常に残念。原告がいる限り最後まで闘う」と話した。原告側の林浩靖弁護士は「現状の金額からして、控訴する原告が極めて多数に上るだろう」と控訴する意向を示した。

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