新たな高齢運転対策、13日から 実車試験やサポカー免許―専門家「生活支援重要に」

東京, 5月10日, /AJMEDIA/

 信号無視などの違反歴がある75歳以上の運転者に実車試験を義務付ける他、安全運転サポート車(サポカー)限定の免許を導入する新たな高齢運転者対策が13日に始まる。専門家は、運転をしなくなった高齢者に対する生活支援が重要になると指摘する。
 対策は、2019年に東京・池袋で母子が死亡した事故などを受けて成立した改正道交法に盛り込まれた。
 実車試験は「運転技能検査」と呼ばれ、誕生日の160日前までの3年間に信号無視や逆走など11類型の違反をした75歳以上の高齢者が対象で、運転免許の更新時に受検する。自動車教習所などのコースを走行し、危険な運転をすれば減点され、70点以上(二種免許は80点以上)で合格する。赤信号の無視などは即不合格となる。
 免許証の更新期間内ならば繰り返し受検できるが、合格しなければ更新できない。警察庁の試算では年15万3000人が実車試験の対象となり、3万5000人は1回目で不合格となる。
 70~74歳や違反歴のない75歳以上が対象の高齢者講習でも実車指導を実施。点数評価し、技能検査で不合格となる水準の人には免許の自主返納などを勧める。
 サポカーは、車載レーダーで前方の車や歩行者を検知して自動でブレーキが作動したり、アクセルとブレーキの踏み間違え時に急発進を抑制したりする装置を搭載。限定免許は申請すれば交付される。国土交通省が性能を認定するなどした車を条件とし、装置の後付けは対象外となる。
 高齢運転者問題に詳しい立正大心理学部の所正文教授は「実車試験に不合格となったり、免許を返納したりした高齢者の通院や買い物といった生活支援が重要となる。警察だけでは対応できないので、医療や福祉と連携して対応する必要がある」と話した。

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