後遺症、睡眠障害や倦怠感増 オミクロン株、デルタ株比で

東京, 2月5日, /AJMEDIA/

 新型コロナウイルスの感染症法上の類型引き下げが決まる中、オミクロン株感染による後遺症の深刻さを示すデータが出ている。岡山大病院の調査では、睡眠障害や倦怠(けんたい)感がデルタ株よりも大幅に増えた。後遺症は長期化傾向も指摘されており、専門医は「季節性インフルエンザと同じ5類に移行後も油断せずに感染対策を続けて」と呼び掛ける。
 岡山大病院は、2021年2月~22年12月に同病院の後遺症専門外来を受診した12都府県の526人からの訴えを分析。オミクロン株の症状をデルタ株などの場合と比較した。オミクロン株では睡眠障害を訴える割合が27%に上り、デルタ株(13%)などの2倍を超えた。布団に入っても寝付けない入眠障害や、夜中に目が覚めた後に眠れない中途覚醒が目立つ。
 倦怠感は68%でデルタ株より19ポイント高く、睡眠障害があると倦怠感や頭痛が出やすい傾向もあった。頭の中に霧がかかったような状態で集中力や記憶力が低下する「ブレーンフォグ」は31%で、デルタ株より8ポイント高い。大塚文男副院長は「感染しないことが最大の後遺症予防策だが、もし後遺症と思ったら病院などで診療を受けてほしい」と話す。
 一方、東京都がオミクロン株流行後に陽性が判明し、後遺症が疑われた119人を調べた結果、症状の最多は倦怠感(46%)でデルタ株以前より6ポイント上がった。せきが8ポイント増の22%で続いたが、息切れや嗅覚障害、味覚障害は低下した。山形県の調査でも、症状は倦怠感が最多でせきが続くなど、ほぼ同様の結果が出た。
 後遺症疑いの患者を5000人以上診察したヒラハタクリニック(東京都渋谷区)の平畑光一院長は「オミクロン株は軽症で済むとされるが後遺症の重さは変わらず、倦怠感を訴える割合も依然高い」と指摘。「後遺症は感染者の1割がかかるとされる。重症化予防のため、特に感染後の2カ月間は無理せずに休んでほしい」と話している。

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