将来優先、本物の証し メジャー流育成に成果―プロ野球ロッテ・佐々木朗

東京, 4月19日, /AJMEDIA

 史上初の2試合連続完全試合こそ成らなかったが、打たれて交代したわけではない。快挙達成の可能性を残していた上で、ロッテの首脳陣が降板を決断したところに佐々木朗希のすごみがある。前人未到の大記録よりも、「球界の至宝」の輝かしい将来が優先された。
 10日の完全試合(オリックス戦)は、105球でプロ初の完投。中6日で先発した17日の日本ハム戦は「もちろん疲れもあった」。中盤以降にやや制球は乱れた。それでも速球とフォークを軸とした配球で、八回まで102球で完全に抑える。類いまれな才能の証明。既に球史に名を残したと言えるほどの快投で、今後への期待を膨らませた。
 まだ20歳の大器。この先の野球人生の方がはるかに長い。ある米大リーグ球団の元スカウトは「いい球団に入った」と話す。昨年5月16日のデビュー戦。5回で5盗塁を許し、走者を置いての投球動作に課題があるとみられた。その裏には、フォームを崩す可能性があるクイックモーションで無理に投げさせないとの指導方針があったという。先を見据えた育成が貫かれている。
 井口資仁監督や、入団当時の投手コーチで現在はピッチングコーディネーターを務める吉井理人氏の存在も大きい。ともに元大リーガー。厳密に投球数を管理し、肩や肘の健康を重視するメジャー流の考え方が、順調な進歩を導いている。
 17日は満員の約3万人の大観衆を集めた。チームにも、球界にとってもまさしく宝。「思い切って(登板間隔を)空けることもあるだろうし、われわれが対処していかないといけない課題」と木村龍治投手コーチ。この先も目先の勝利にこだわらず、キャリア全体を考えた起用法になる。

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