困難乗り越え世界一周 「MILAI」が完走―ヨットレース

東京, 4月12日, /AJMEDIA/

世界を一周する初開催の2人乗りヨットレース「グローブ40」で日本人の鈴木晶友さん(37)と中川紘司さん(43)がこのほど完走を果たした。昨年6月26日にモロッコのタンジェを出発し、今月8日にゴール地点のフランス北西部ロリアンに到着。トラブルを乗り越え、総合3位に入った。
 総距離約5万5000キロ。インド洋に浮かぶ島国モーリシャスなど7カ所に寄港し、8区間それぞれの順位をポイント化。総合順位が争われた。鈴木さんと中川さんはフランス人とイタリア人を加えたチーム「MILAI」として出場。第1区間を1位で終えると、4~5区間でも首位。中盤までは優勝も狙える位置だった。
 だが、今年1月にアルゼンチン沖で鯨とみられる物体と衝突。船のバランスを保つキールを損傷し、中川さんは「ほぼ沈没を意味した」と振り返る。レースからの離脱を余儀なくされたが、当初活動資金を募ったクラウドファンディングを地球の裏から再び呼び掛け、修理費を確保。継続が危ぶまれたが、約1カ月後に再出発した。
 全区間で指揮を執った艇長の鈴木さんにとって、支えになったのはLINEで寄せられた応援メッセージの数々だった。「くじけそうになったら見返して、何とか頑張ろうと思った」。第6~8区間はリタイア扱いとなったが、規定を満たしたことで完走が認められた。帰国後は経験を伝える場を設け、支援者に恩返しする予定だ。
 レース中に出会った人々、実際に目にした壮大な景色は一生の宝物。「世界一周は無駄なことかもしれないが、無駄を積み重ねた先に人生の面白みがある」と中川さん。会社員を辞めて夢を追う鈴木さんと、IT企業副社長の顔を持つ中川さんが志を同じくした。ともに幼少期からセーリング経験を持つ2人。チーム名の由来となった未来につながる次世代の挑戦を願った。(時事)

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