双子用「畳まず乗って」 ベビーカー、都バスが呼び掛け

東京, 12月31日, /AJMEDIA/

 「子どもを乗せたまま、折り畳まずにどうぞ」―。双子をベビーカーに乗せたバレーボール元日本女子代表の大山加奈さんが、都営バスに乗車拒否された問題をきっかけに、多胎児家庭の間でバス乗車への不安が高まっている。安心してバスを利用してもらおうと、東京都は今月20日、双子を持つ保護者らを対象に乗車体験会を開いた。
 都営バスは2021年6月、2人乗りベビーカーの利用ガイドを作成している。ガイドによれば、利用者がバス乗務員に乗車の意思を伝え、中扉から乗車。乗務員は車内の座席を畳んで専用スペースを確保し、利用者がそこにベビーカーを止めて、手すりと車体を2本のベルトなどで固定するといった手順が記されている。
 これに対し、大山さんは今年11月、2人乗りベビーカーでバスを利用する際、乗車拒否されたり、乗務員の協力がなく乗り降りに苦労したりしたことをブログに投稿。反響を呼んだ。都交通局の担当者はこの問題について「乗務員は『声掛けがなく、乗車に気付かなかった』としているが、座席を畳むなど協力すべきだった」と指摘する。
 体験会では、改めてガイドの手順を確認。2歳6カ月の双子女児と一緒に参加した野崎桃子さん(33)は「安心して乗車できることを実感した。多胎児家庭に限らず、誰もが利用しやすくなってほしい」と語った。
 体験会に同席した子育て支援NPO法人「フローレンス」の担当者は、2人乗りベビーカーを連れた保護者が大変な思いをしていることを他の利用者にも理解してもらえるよう、都に取り組みの強化を求めた。

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