十二指腸腫瘍手術で「細胞シート」移植に成功 長崎大など

東京, 6月29日, /AJMEDIA/

十二指腸の腫瘍を取り除く手術で合併症が起こるのを防ぐため、腸に患者自身の細胞をシート状に培養して移植する手術に長崎大学などのグループが世界で初めて成功したと発表しました。

これは、長崎大学大学院の金高賢悟教授らのグループが28日、記者会見を開いて明らかにしたものです。

グループによりますと、早期の十二指腸の腫瘍を内視鏡で取り除く手術では腸の壁に穴があいて、腹膜炎などの重篤な合併症が起こるリスクがあり、課題となっているということです。

グループでは医療機器メーカーなどと連携し、患者自身の細胞をシート状に培養した「細胞シート」を腸に移植することで合併症を防いだり回復を早めたりする治療の実用化に向けた治験の準備を進めてきました。

そして、今月8日、長崎大学病院に入院する女性患者に「細胞シート」を移植する手術を行ったということで、患者は順調に回復し、無事に退院したということです。
グループによりますと「細胞シート」を移植する手術は心臓などではすでに行われていますが、十二指腸など、腹くう内の臓器では世界で初めてだということです。

金高教授は「腹くう内に再生医療を持ち込むのは前人未到で、全く未知だった世界に踏み出すことができた。安全に進めることが第一だが、多くの患者にこの治療を届けられるよう研究を進めたい」と述べました。

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