マクラーレン、MCL60の”発表会スペック”に満足せず。ステラ新代表「もっと優れた方向性に気付いた部分もあるから」

東京, 2月14日, /AJMEDIA/

 マクラーレンは、2023年用F1マシン『MCL60』を2月13日にイギリス・ウォーキングのファクトリーで発表した。チームとしてはこのMCL60の最初のスペックに「完全に満足」しているわけではないものの、シーズン序盤にアップデートを施すことで、存在する欠点に対処できることを期待している。

 マクラーレンのニューマシンMCL60は、基本的には昨年型のマシン『MCL36』の正常進化バージョンではあるものの、サイドポンツーンのアンダーカットが大胆になるなど、いくつかの攻撃的な空力ソリューションを特徴としている。

 このMCL60によりマクラーレンは、2023年シーズンにトップ3チームとの差を縮めたいと考えているが、今季から新たにチーム代表に就任したアンドレアス・ステラは、シーズン序盤のレースで期待しすぎるわけにはいかないと考えている。

 ステラ曰く、発表会で披露したマシンのスペックは、彼らが到達できると考えるレベルにはまだ達していないと考えているという。そしてシーズン序盤のアップデートで、パフォーマンスを引き上げることができることを期待しているようだ。

 MCL60で達成した進歩について尋ねられたステラ代表は、次のように語る。

「昨年のパフォーマンスを評価し、それらを比較してみると、チャンスと考えられるエリアを複数特定することができた。良いニュースは、それらのほとんど全てに対処できたということだ。あまり具体的には言いたくないが、主に空力に関係したモノだ」

 そうステラ代表は語る。

「空力は、F1において最も重要な部分だ。それは秘密でもなんでもない。でも、例えばタイヤとの相互作用に関しては、いくつかの作業を行なう必要がある。それは、冬の間に行なわれた」

「シーズンの早い段階で、開発によって改善される領域がいくつかある。だから、発表したマシンのスペックに完全に満足しているわけではないが、すぐに一歩を踏み出すことができるはずだと、楽観視している」

 ステラ代表は、現時点ではライバルチームがどのようなマシンを作り上げてきたのか不明であるため、マクラーレンのシーズン序盤の立ち位置がどこなのかを言及するのは不可能だと語った。

「冬の間の前進の観点から、序列がどんな風になっているのかを判断するのは、いつでも難しいことだ」

 そうステラ代表は言う。

「しかし我々は、それを自分自身のことと比較しようとしている」

「先ほど言った通り、ほとんどの部分でマシンの開発には満足している。しかし、開発が少し遅れた部分や、もっと優れた方向性に気付いた部分もあると思う。だから必ずしも我々は、この短期間でこの方向性を活用することができたわけではない」

「だからこそ、シーズンが開幕した後の展開についても話をしたい。その意味で私は、現実的であるだけだ」

「ある意味、自分自身のことしか比較することができない。しかしF1は非常に競争の激しいゲームだ。もし彼らがすぐそこにいるとしたなら、それは驚きだ。通常ならば、目標を達成するためには、完全に満足し、そしてできることを全て最高レベルで成し遂げなければならない」

 なおステラ代表は、アゼルバイジャンGPの頃までにはアップデートの準備が整うはずだと予想しているが、具体的な日程はまだ確定していないと明かす。

「開発のタイミングに関しては、できればシーズン開幕後数ヵ月……願わくばそれ以下にしたいと思う」

「これは第4戦頃になる可能性がある。しかしこのプロジェクトをどれだけ早く実現できるかを、見ていこうと思う」

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