東京, 7月31日, /AJMEDIA/
ウクライナのゼレンスキー大統領は30日のビデオ演説で、ロシア軍の攻撃が続く東部ドネツク州の住民に対する強制避難を決定したことを明らかにした。同州の親ロシア派支配地域では29日に捕虜収容所で爆発が起きてウクライナ兵捕虜50人以上が死亡しており、ロシア国防省は31日の声明で「国連と赤十字国際委員会(ICRC)の専門家を招いた」と述べ、原因についての調査を受け入れる姿勢を示した。
ビデオ演説で、ゼレンスキー氏はドネツク州を含む東部ドンバス地方になお数十万人が残っていると指摘。「より多くの人が避難すれば、ロシア軍に殺される人は少なくなる」と強調し、戦闘地域に残る人々に退避を求めた。
ドネツク州ではロシア軍の攻撃に対してウクライナ側が抵抗し、交戦が激化している。ゼレンスキー氏は住民が巻き込まれる事態を懸念し、強い調子で避難を呼び掛けた形だ。
一方、同州エレノフカの収容所での爆発について、ロシア側はウクライナの攻撃によるもので、米国が提供した高機動ロケット砲システム(HIMARS)が使われたと説明。これに対し、ウクライナはロシアによる拷問隠蔽(いんぺい)のための自作自演だと訴え、国連などの調査による真相究明を求めていた。