クアルコム、新型5Gモデム「Snapdragon X80」発表–AI活用で接続性を強化

東京, 02月29日 /AJMEDIA/

通信事業者が5Gネットワークを構築したことで、速度と信頼性が向上した通信を実現するスマートフォン向けの新たなハードウェアが相次いで登場している。Qualcomm Technologiesはバルセロナで開催中のモバイル見本市「Mobile World Congress(MWC)」で現地時間2月26日、5Gモデム「Snapdragon X80 5G Modem-RF System」を発表した。このモデムを搭載したスマートフォンでは、通信事業者のネットワークにおける信号帯域幅のさらなる活用、衛星接続の構築、5G家庭用通信の改善が可能になる。
X80は、Qualcommの高性能モバイルモデムシリーズの最新版で、「MWC 2023」で発表された5Gモデム「Snapdragon X75」を基盤としている。X75は、同社が以前に発表した独自の衛星通信サービス「Snapdragon Satellite」を通じて衛星に接続することができた(ただし、同サービスは2023年末に先行きが不透明になったようだ)。その代わりに、新しいX80は衛星接続で一般的なNB-NTN(狭帯域・非地上系ネットワーク)規格をサポートしており、さらに多くの衛星ソリューションに開放されるはずだ。
X80は専用の人工知能(AI)プロセッサーにより、Qualcommによるとデータ転送速度、遅延、複数のアンテナの管理(スマートフォンで最大6本のアンテナをサポート)のほか、無線周波数の効率的な切り替えと電力消耗の管理も改善するという。

 X80を他のデバイスで使う場合も、AI機能の強化が役立つ。固定無線アクセスソリューションで利用する場合は、AIを使ってミリ波信号の範囲を拡大する。

 Qualcommは、X80を搭載したデバイスが2024年後半に登場するとの見方を示したが、どのスマートフォンメーカーが製品にX80を採用するかは明らかにしなかった。

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