日産とパナソニック、「今どこ」をテレビがお知らせ–「クルマとくらし」つなぐ新サービス

東京, 04月20日 /AJMEDIA/

日産自動車とパナソニック オートモーティブシステムズ、パナソニック くらしアプライアンス社は4月19日、日産自動車が提供する「NissanConnect」とパナソニックが提供する「音声プッシュ通知」を連携し、クルマとくらしをつなぐ、新たなサービスを開始した。
新サービスは、クルマで出かけた家族の帰宅や電気自動車の充電完了などの情報をパナソニックの対象家電を介して音声で通知するというもの。家族の帰宅時間がわかるなど、快適なくらしにつなげる。

 NissanConnectは、車両に内蔵されている専用車載通信ユニット「Telematics Control Unit」と情報センターが通信することで、ドライブや充電などの情報を提供するサービス。2019年以降に発売された新型車に採用されている。

 一方、音声プッシュ通知は、2021年10月にスタートしたもの。テレビ、ロボット掃除機、LEDシーリングライト、ドアホンといったパナソニック製のスピーカーを内蔵した製品から、ゴミの日や薬の時間、今日の天気などの情報を家電が音声で知らせることが特徴だ。

 今回、この2つのサービスをAPI連携し、両サービスのIDを認証し、ユーザーを紐づけて、シームレスな情報伝達を実現したとのこと。これにより、テレビなどを通じてクルマで出かけた家族の帰宅タイミングを音声で知らせたり、出発時間が近づくと、出発時間と外出前の「乗る前エアコン」設定の促しを音声で通知したりといったことが可能になる。
パナソニック オートモーティブシステムズ 新規事業推進室室長の加藤博司氏は「日本におけるIoT家電の出荷台数予測は、2023年で約1300万台、2030年には3000万台規模まで普及することが見込まれている。一方、コネクティッドカーの普及台数は、現在で約3400万台、2030年には約5000万台になり、国内の稼働台数のうちの約70%にまで達すると予測されている。それぞれが進化していく中で、私たちは、これらのサービスをつなげることで、生活がもっと便利になり、移動がもっと心地よくなる。そんな世界をつくりたいと考えている。この世界の実現のため、今回3社でコラボレーションし、サービス開発を進めていく」とサービス開始に至った背景を話した。
今回のコラボレーションは日産自動車がパナソニック オートモーティブシステムズに声をかけ、サービスを模索するなかで、パナソニック くらしアプライアンス社が展開する音声プッシュ通知をつなげることで移動体験がよくなることに気づき、連携に至ったとのこと。

 日産自動車 コネクティドカー&サービス技術開発本部コネクティドカーオフボード開発&オペレーション部担当部長の神吉理衣氏は「今までのクルマと家の連携サービスは、ユーザーの操作指示に従って連携を実行していたが、新サービスはあらかじめ設定しておけば、自動で通知されるところが特徴。この機能の実現は、家電のIoT化を推進しているパナソニックとでなければなしえなかった」と提携に至った決め手を説明した。
サービス開始時点では、出発の時間を知らせる「お出かけ前通知」、乗車前にエアコンをオンにするかを促す「乗る前エアコン推奨通知」、設定エリアにクルマが入ったことを知らせる「ゾーンアラート通知」、充電の開始、終了がわかる「充電に関する通知」、カーアラームの作動などを知らせる「防犯通知」の5つのサービスを提供。「実証実験を行い、評価が高かった5つのサービスからスタートした。これで終わりではなくて、お客様と伴走しながら必要な機能を継続して提供していきたい」(パナソニック くらしアプライアンス社DX・顧客価値革新本部デジタルプロセス開発センター CX・IoT技術総括の大穂雅博氏)と今後の展開も見据える。
現在、音声プッシュ通知の利用者は約2万人、NissanConnectの導入台数は17万台とのこと。「ユーザーの目標獲得数については、あえて設定していない。単純に数字を追うより、お客様の暮らしの体験や移動体験を豊かにすることにフォーカスしている」(加藤氏)とした。

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