「日本をもっと知りたい」 ウクライナ避難民学生、春に鹿児島で就職

東京, 2月20日, /AJMEDIA/

 ロシアのウクライナ侵攻から避難してきた学生を受け入れる日本経済大(福岡県太宰府市)で学んだカテリナ・グレバさん(22)は「日本のことをもっと知りたい」と、日本での就職を決めた。遠く離れた故郷で暮らす家族を案じながら、4月から鹿児島県で働き始める。
 ウクライナの首都キーウ出身。子どもの頃に見た日本のアニメに影響を受けて日本語を学び始め、キーウ国立言語大で日本語を専攻した。在学中に戦争が始まり、家族に後押しされ、昨年3月に避難民学生として日本経済大に留学した。
 日本語の授業を受けつつ、昨年6月から就職活動を始めたが、言葉の壁などで苦労した。内定をもらったのは同12月で「うれしくて、少し泣いた」と振り返る。春から勤める食品卸会社では、雑誌デザインの仕事を担当する。
 母親と弟はキーウで暮らしており、時間があればテレビ電話などで話すこともある。最近、自宅近くのホテルにミサイルが飛んできたと知り、安否が心配になった。「母は『大丈夫』と言うが、本当に近くだったから怖い」と不安そうに語る。戦争のニュースに触れると家族の安否が気になるので見られないといい、「戦争のことはあまり知りたくない。家族の無事が分かるとうれしい」と言葉を詰まらせた。
 来日してから間もなく1年。一度もウクライナに帰ることはなく、ロシアの軍事侵攻が続いていることを「悲しい。戦争をしていいことは絶対にない」と言い切る。いつも家族を思っており、「日本のことが好きだから、もし家族と会えたら『日本に来て』と言うと思う」とほほ笑んだ。
 日本経済大は、ロシアの軍事侵攻後、提携している現地の大学から約70人の避難民学生を受け入れた。担当者によると、ウクライナの避難先から直接日本に来たといった理由で、荷物は小さなかばん一つという学生もいたという。

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