「オミクロン株対応ワクチン」が承認 いつから接種?

東京, 9月13日, /AJMEDIA/

新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチンの使用が、国内でも認められました。9月12日、厚生労働省の専門家の部会で、国内で使用することが特例で認められました。

今後、公的接種に位置づける手続きを経て、無料での接種が始まることになります。

「4回目のワクチン接種」は重症化リスクの高い人などに限定されていましたが、「オミクロン株対応ワクチン」は2回目までの接種を終えた12歳以上のすべての人が対象となります。

どんなワクチンなのか、いつから接種が始まるのか、Q&A方式でまとめました。

(社会部 記者 市毛裕史)

Q:オミクロン株対応ワクチンってどんなワクチン?
使用が認められたのは、ことし初めごろからの第6波で広がったオミクロン株の「BA.1」に対応したワクチンで、現在流行している「BA.5」に対しても効果が見込まれています。

従来株由来の成分にオミクロン株の「BA・1」由来の成分を混ぜたもので、2種類のウイルス株に対応することから「2価ワクチン」と呼ばれています。

私たちが接種できるようになるのは9月中旬以降で、12歳以上で2回目までの接種を終えたすべての人が無料で接種できるようになる見通しです。
Q:効果はどれくらいあるの?
オミクロン株は変異の数が多いため、これまでのワクチンでは感染予防や発症予防の効果が低かったほか、打ってから時間がたつほど効果が弱まっていました。

しかし、オミクロン株に対応したワクチンは重症化予防効果のほか、短期間となる可能性はあるものの感染予防効果や発症予防効果も期待されています。

ファイザー社が示した臨床試験の結果によると、56歳以上を対象に4回目として接種したところ、これまでのワクチンを接種した人と比べ「BA.1」のウイルスの働きを抑える中和抗体の値が平均で1.56倍上昇し、現在流行している「BA.5」に対しては「BA.1」には劣るものの中和抗体の値の上昇がみられたと報告しています。

またモデルナ社も、中和抗体の値を従来のワクチンと比較すると「BA.1」に対して平均で1.75倍上昇を示したと報告しています。

両社のワクチンについて厚生労働省は、安全性に重大な懸念は認められていないとしているほか、主な副反応は疲労や頭痛があげられるものの、ほとんどが軽度か中等度だったとしています。
Q:接種はいつから始まるの?
オミクロン株に対応するワクチンは近く、厚生労働省が無料の公的接種に位置づけることを正式に決めた後、接種が始まる見通しです。

厚生労働省は約3000万回分、都道府県に配送する計画で、具体的な時期と量は以下のとおりです。

前回の接種から少なくとも約5か月が経過した人から接種できるようになる見通しで、厚生労働省はことし10月までに対象となる人を約6850万人と想定しています。

まずは4回目の接種をまだ行っていない60歳以上の高齢者約1400万人のほか、18歳以上の基礎疾患のある人や医療従事者などから、9月中旬以降に受けられます。

12歳以上で対象となる人は約5350万人で、高齢者などの接種状況を踏まえ自治体の判断で順次接種が始まり、10月中には全員が接種できるようになる見通しです。

また、すでに4回目の接種を受けた人では、最も早い人でことし5月に接種した約1万人が10月25日以降から5回目としてオミクロン株対応ワクチンの接種ができるようになる見込みです。

オミクロン株に対応したワクチンの接種開始時期や、すべての対象者が接種できるようになる時期は自治体によって異なりますが、国は10月末までには対象者全員分のワクチンが輸入される見通しだとしています。

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