COP15 生物多様性回復の世界目標を議論 資金確保めぐる対立も

東京, 12月19日, /AJMEDIA/

カナダで開催されている生物多様性の保全に向けた国連の会議「COP15」は、温暖化の影響などを受けた生物多様性の回復に向け、新しい世界目標の議論が交わされています。これまでの交渉では取り組みに必要な資金の確保をめぐり途上国と先進国の対立が生じています。

カナダのモントリオールで開かれているCOP15では、「自然との共生」という長期的な目標の実現に向け、2030年までに各国が取り組むべき新たな目標の採択に向けて交渉が続いています。

生物多様性を損なっている直接的な要因として、陸地や海域の開発や動植物の乱獲、それに地球温暖化の影響や外来種による侵略などが上げられています。

こうした中、今回の会議では絶滅危惧種の回復や野生生物の効果的な管理といった「種の保全」や陸と海に世界全体でそれぞれ30%以上の保全地域を確保することを盛り込むかなどが話し合われています。

国連の報告書では世界の保全地域は2020年8月までで陸域でおよそ15%、海域で7%余りにとどまるとされ、保全地域を拡大するためには資金が必要となります。

これまでの交渉で、途上国からは生物多様性の保全に特化した新たな基金の創設を求める声が相次いだ一方で、先進国は既存の基金の活用を呼びかけるなど資金の確保をめぐって対立が生じています。

生物多様性の保護は気候変動と連動して取り組むべき深刻な問題とされるなか、資金面で折り合いをつけ実効性のある新たな目標を採択できるかが注目されています。

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