3800年前に超巨大地震 南米チリ北部、Mw9.5か―津波堆積物を掘削調査・国際チーム

東京, 4月9日, /AJMEDIA/

 南米チリ北部沿岸で約3800年前に超巨大地震と津波が起きた可能性が高いと、チリ大などの国際研究チームが8日までに米科学誌サイエンス・アドバンシズに発表した。津波による堆積物を掘削調査した成果で、規模は大きな震源断層面の滑りを正確に反映できるモーメントマグニチュード(Mw)で9.5と推定された。
チリ中南部沿岸では1960年に観測史上最大Mw9.5のチリ地震が発生しており、チリ海溝沿いで長期的に同程度の地震が繰り返し起きていたことになる。研究チームは調査研究の拡充と防災の強化を訴えている。
 チリ海溝では陸側の南米プレートの下に海側のナスカプレートが沈み込み続けており、プレート同士の境界面にひずみが蓄積される。境界面が急に滑ると地震が発生し、海底が動いて津波が起きると考えられている。
 チリ北部沿岸では1877(明治10)年にMw8.8のイキケ地震が起き、その南方で1922(大正11年)年にMw8.5のアタカマ地震が起きた。約3800年前には、これらの震源断層面をほぼ全部含む、長さ約1000キロにわたる領域が滑ったと推定した。滑った領域の長さは60年のチリ地震に匹敵する。
 チリ地震と津波の被害は甚大で、日本でも到達した津波により死者・行方不明者が142人に上った。現在は気象庁の速報や警報・注意報が整備されており、津波発生から日本到達まで1日程度の余裕がある。Mw9.0の東日本大震災後に堤防などの対策も進んだが、千島海溝や日本海溝、南海トラフ沿いの地震津波とともに、遠地津波にも心構えが必要とみられる。

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