金閣寺、今春拝観料値上げへ 維持管理で「苦渋の選択」、龍安寺も―京都

東京, 1月22日, /AJMEDIA/

 新型コロナウイルス感染症に伴う水際対策の緩和や、政府の需要喚起策「全国旅行支援」再開を受け、観光客の増加が見込まれる京都。そんな中、世界文化遺産の金閣寺(鹿苑寺、京都市北区)などが4月1日から、拝観料の一部値上げに踏み切る。コロナ禍で拝観者が減少し、寺側は維持管理に向け「苦渋の選択」と話す。
 金閣寺は1993年4月以来30年ぶりの値上げを決断。大人・高校生の参拝志納料を400円から500円に上げる。庭園の維持管理、建物の修繕などを理由に挙げ、物価高や拝観者減少が響いているという。小中学生と小学生未満は据え置く。
 担当者は「未来永劫(えいごう)守っていくためにも苦渋の選択だった」と説明。「金閣をいつまでもきれいに残す使命もあるし、きれいなものを見ていただきたいとの思いもある」と理解を求めた。
 石庭が有名で、故エリザベス英女王も訪れた世界遺産の龍安寺(京都市右京区)も拝観料を改定し、4月1日から大人が100円上がって600円となる。
 岩田晃治寺務長(59)によると、昨年9月ごろから拝観者が戻り始めたが、全体の6割を占める外国人観光客はコロナ禍前の半分程度だという。「永久に維持管理していくためには、ある程度の収入がないとやっていけない。今回の値上げは本当に必要最小限だ」と苦しい胸中を吐露した。
 一方、徳川家康が築城した世界遺産の二条城(京都市中京区)は昨年6月に料金を見直した。一般の入城料(二の丸御殿観覧料を含む)は1030円から1300円になったが、来場者が減ってはいないという。
 二条城を管理する京都市元離宮二条城事務所の担当者は、金閣寺などの動きに「市が答えることではないが、社会の情勢を見て文化財を守るという判断だったのでは」との見方を示した。

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