経済悪化、麻薬生産拡大か 米軍撤収後、過酷さ増す生活―アフガン

東京, 8月30日, /AJMEDIA/

アフガニスタンの国民生活は、駐留米軍の撤収後、過酷さを増している。イスラム主義組織タリバンの実権掌握を受け大半が米国内にある政府の在外資産は凍結され、国際社会の支援も滞っているためだ。農家が生計の手段として麻薬生産を拡大しているとの報告もある。
 「人々が臓器を売るのをやめさせる」。タリバン暫定政権のエバド保健相は24日、首都カブールでの記者会見で、臓器売買防止に向け新たな法律や委員会をつくったと説明した。背景には、生活に困窮した人が自らの腎臓を売るケースが後を絶たないという事情がある。
 干ばつに物価上昇が重なり、食料危機は深刻化している。国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」の調査によると、タリバンの政権奪取以降、97%の家庭が子供に食事を満足に与えられていない。また、女児は男児に比べ食事が少ない傾向にあり、女児の26%がうつの兆候を示しているという。
 アフガンはアヘンやヘロインの原料となるケシの一大産地だ。米シンクタンク「大西洋評議会」は、深刻な経済危機が「ケシ栽培に代わる多くの選択肢を農民から奪っている」と指摘。衛星画像などの分析から、広い範囲で栽培が行われており、今年も多くの収穫が見込まれるとした。
 タリバンは表向きケシ栽培を禁じ、違反者を取り締まる姿勢を見せているが、地元記者は時事通信に、南部のヘルマンド州やカンダハル州でタリバン関係者がアヘンを生産していると語った。資金源として麻薬産業への依存を強めている可能性もある。
 タリバン支持者を中心に米軍撤収を喜ぶ声もある。一方でカブールに住む40代の男性は、「人々の95%は貧困の中で暮らしている。飢えのため自らの子供を売る人もいる」と語り、早期撤収すべきではなかったとの考えを示した。

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