東京, 12月8日, /AJMEDIA/
健康に欠かせない睡眠。
その量や深さは脳の別々の部位で制御されていることなどを筑波大学などの研究グループが世界で初めて明らかにしたと発表しました。
研究グループは、睡眠障害の治療法などの開発につながる成果だとしています。
研究結果は筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史機構長と東邦大学大学院医学研究科の船戸弘正教授などの研究グループが科学雑誌「ネイチャー」に発表しました。
研究グループは、6年前に「SIK3」と呼ばれるたんぱく質が睡眠に関わっていることを突き止め、マウスを使って詳しいメカニズムの解明を進めてきました。
その結果、「SIK3」のほかに「LKB1」や「HDAC4」と呼ばれるたんぱく質が関わっていて、これらの連鎖反応で「HDAC4」がリン酸という物質と結びつくと睡眠が促されることが分かったということです。
こうした連鎖反応は脳の神経細胞で起きていますが、睡眠の量は視床下部という部位が、睡眠の深さは大脳皮質と呼ばれるところがそれぞれ関わっていることも初めて分かったということです。
研究グループはさらに研究を進め、睡眠障害の治療法の開発などにつなげていきたいとしています。
柳沢機構長は「寝ないでいると眠くなるというのは当たり前だと言われるかもしれないが、そのメカニズムは全く分かっていない。そこに至る第一歩だと思っている」と話しています。