死者270人、収束見えず 軍と準軍事組織衝突のスーダン―停戦合意守られず危機的状況

東京, 4月20日, /AJMEDIA/

【カイロ時事】スーダンで続く正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の衝突で、国連は18日、これまでに少なくとも270人が死亡、2600人以上が負傷したと明かした。事態収束の見通しは立っておらず、治安が極度に悪化。医療体制は崩壊寸前で、水や食料の確保も難しい危機的状況に直面している。
自衛隊機、スーダン派遣へ 邦人60人退避―政府準備

 軍とRSFは18日、24時間の停戦を発表したが、報道によると、首都ハルツームやその近郊では同日午後6時(日本時間19日午前1時)の停戦発効時刻を過ぎても銃声が響き、空爆も行われている。それ以前に国連が仲介した一時的な人道停戦も守られず、両陣営とも相手側の合意違反を非難している。ロイター通信によれば、軍とRSFは19日も同様の条件での停戦実施を発表したが、実効性は不透明だ。
 戦闘は西部ダルフール地方など各地に拡大。国連職員が死亡し、欧州連合(EU)の大使が暴行されたほか、米外交官の車列も攻撃を受けた。
 国際社会からは即時停戦を求める声が相次ぎ、ロイターによると、日米韓など14カ国とEUの在スーダン外交使節団は19日、共同声明を出し、停戦と共に民間人と外交官、人道支援関係者の保護を求めた。エジプトなどが両陣営の調停に動いているが、進展は伝えられていない。
 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は18日、現地の医療機関が物資や人員の不足に見舞われていると説明。病院への攻撃に加え、断水や停電で医療行為が困難な状況という。ロイターによれば、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は「首都周辺での人道支援活動はほぼ不可能だ」と指摘し、このままでは医療体制が「崩壊に向かう」と訴えた。
 スーダンでは2021年10月に軍がクーデターで全権を掌握し、意思決定機関となった統治評議会の議長と副議長に、軍とRSFのトップがそれぞれ就いた。ところが、民政移管に向けたRSFの軍への統合を巡り両者が対立。武力衝突に発展した。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts