悪質商法、被害若年化か 「取り消し権」失い標的―「もうけ話」に要注意

東京, 4月1日, /AJMEDIA/

改正民法の施行で4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられ、悪質商法の被害が高校3年生にまで広がる恐れがある。保護者の同意がなければ契約を取り消すことができる「未成年者取り消し権」を18、19歳が使えなくなるためで、新たな標的になる可能性が指摘されている。
 国民生活センターによると、2020年度に寄せられた相談件数は、18、19歳の平均が5690件だったのに対し、20~24歳の平均は9357件と大きく上回った。成人を境に増える傾向があり、情報商材や暗号資産(仮想通貨)など「もうけ話」に絡むトラブルが目立つ。
 「投資用USBを使うと1年間で1万円を数百万円にできる」。当時19歳だった首都圏在住の大学生は、寮の先輩からデリバティブ(金融派生商品)の一種「バイナリーオプション」取引に誘われ、20歳になるとすぐにUSBの購入契約書にサインした。学生ローンの利用を指示され、3社から計50万円を借りて代金を支払ったという。
 同センター担当者は「成人すると借金を負ったりクレジットカードを作れたりする」と指摘。取り消し権がなくなることで業者側のリスクが減り、「被害は18歳にスライドしてくるのではないか」と警戒する。
 消費者庁は契約の仕組みなどを解説した教材を作成し、20年度は全国の高校の86%で活用された。民間団体の出前講座も各地で実施され、同庁担当者は「若者の認知度は高まっている」と話す。
 高校教諭で消費者行政に携わる新潟県の俣倉朋美県民生活課主任によると、現在は予防教育の観点が強いという。今後トラブルが高校生に及ぶ可能性に触れ、「実際に被害が出た時にどう対応するかが重要になる」と語る。
 消費者庁は4月1~3日、若者向けの相談窓口を設ける。電話03(6450)6631、06(4790)8110。開設時間は午前11時~午後6時。消費者ホットライン「188」でも受け付ける。

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