合区導入後、初の「違憲」判断 格差是正の放置重視―仙台高裁

東京, 11月2日, /AJMEDIA/

 7月参院選の「1票の格差」訴訟で、1日の仙台高裁判決は、2015年の公選法改正で隣接する選挙区を統合する「合区」が導入されてから初めての違憲判断を示した。
 参院の創設以来、選挙区は都道府県単位だったが、15年の法改正により「鳥取・島根」と「徳島・高知」で初めて合区が導入された。この結果、5倍前後だった最大格差は3.08倍に縮小。16年選挙を巡る各高裁・支部の判断は「違憲状態」10件、「合憲」6件で、最高裁大法廷は合憲と結論付けた。
 一方で、合区の対象となった県を中心に解消を求める強い意見が上がったほか、対象県で投票率が低下するなどした。
 次の19年選挙では2合区を維持した上で、埼玉選挙区に定数2が配分された。最大格差は3.00倍となり、各高裁・支部の判断は合憲14件、違憲状態2件で、最高裁大法廷も引き続き合憲とした。
 今回選挙について、仙台高裁は「選挙区と議員定数を何ら是正することなく行われた」と指摘。合区に反対する声などに対しては、「1票の投票価値が低い状況が長年にわたって続いていることが、都市部における投票行動にどのように影響してきたかも併せて公平に検討しなければ、著しい不平等がやむを得ないと言える事情にはならない」と言及した。

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