中ロ、米欧にらみ結束誇示 G7サミット前にBRICS会議

東京, 6月25日, /AJMEDIA/

中国の習近平国家主席は24日、ロシアなど新興5カ国(BRICS)や途上国の首脳らによるハイレベル対話をオンライン形式で主宰し、新興国・途上国の連帯を呼び掛けた。22~24日の一連のBRICS会議で中ロ首脳は、米欧をにらみ結束を誇示。月末にかけて相次ぎ開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)や北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を前に、国際社会の分断を印象付けた。
 習氏は24日の演説で「(中国を含む)途上国は協力を深める必要がある」と強調。バイデン米政権を念頭に「ある国は庭に高い壁を築き、分裂や対立を人為的に生んでいる」「小さなサークルをつくれば自ら孤立するだけだ」と批判した。
 習氏は23日、BRICS首脳会議のオンライン演説で「制裁乱用」への反対を表明し、中ロに制裁を科す米欧をけん制。「一部の国は軍事同盟を拡大し、陣営対立を生み、他国の権利を無視して唯我独尊に振る舞っている」と述べ、米主導のNATO拡大がウクライナ危機の原因とするロシアの言い分に理解を示した。ロシアと対峙(たいじ)するNATOは首脳会議で中国への対抗も打ち出す見通しで、習政権は警戒を強めている。
 ロシアのプーチン大統領は「幾つかの国々の軽率で利己的な行動によって、世界経済に危機的状況が生じた。マクロ経済政策での自らの過ちを全世界に転嫁している」と述べ、ウクライナ侵攻の責任を棚に上げて米側を非難。習氏はウクライナ危機と新型コロナウイルス禍がサプライチェーン(供給網)の混乱や商品価格の上昇を招き、新興国の発展に「暗い影を落とした」と指摘した。
 米主導の国際秩序に対抗する習氏は、中ロやインド、ブラジル、南アフリカで構成するBRICSの「影響力底上げにつながる」として、参加国拡大に意欲を示した。ただ、5カ国だけでも政治体制の違いなどから一枚岩でなく、中印に至っては国境地帯でにらみ合う関係。インドは日米、オーストラリアとの4カ国枠組み「クアッド」の一角も占め、多角的な外交を展開している。
 24日の対話にはアルゼンチン、インドネシア、エジプト、カンボジアなどが参加した。

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