スパコン「TOP500」、米オークリッジ国立研究所の「Frontier」が首位に

東京, 5月31日, /AJMEDIA/

米国が、エクサスケール性能の壁を初めて突破したスーパーコンピューターによって、世界で最も強力なコンピューター首位の座を奪還した。米オークリッジ国立研究所(ORNL)にあるAMD製プロセッサー搭載のスーパーコンピューター「Frontier」が、Linpackベンチマークで1.1エクサフロップス(1エクサフロップスは毎秒100京回の浮動小数点演算を実行できる性能)を達成し、「TOP500」ランキングで1位になった。

 Hewlett Packard Enterpriseが構築したFrontierは、これまで首位だった「富岳」が2021年に記録した442ペタフロップス(1ペタフロップスは毎秒1000兆回の浮動小数点演算を実行できる性能)というピーク演算性能に、2倍以上の差をつけて圧勝した。日本の富岳が2020年6月に首位となる前の2年間は、IBM製の「Summit」が最速のスーパーコンピューターだった。

 ORNL所長のThomas Zacharia氏は次のように述べた。「Frontierは、世界最大の科学的課題を解決するエクサスケールコンピューティングの新時代を開く。このマイルストーンは、科学的発見のツールとしてのFrontierの比類なき能力のほんの一端を示すものにすぎない」

 ビルのフロア全体を占める巨大なマシン群で、町1つ分に相当する電力を消費するスーパーコンピューターは、核兵器の爆発、地球の気候変動の影響、宇宙の物理学などをシミュレーションするタスクに利用される。また創薬のような医学研究にも適しており、新型コロナウイルスの急速な拡散と、それが引き起こしたCOVID-19のパンデミックを考えると、その点でも重要な能力を有する。

 世界最速のスーパーコンピューターのリストでは、米国がトップを占めたものの、中国はリスト入りしたマシンが173台と、依然として優位を保っている。一方、米国はその数を150台から126台に減らした。

 Frontierはまた、スーパーコンピューターのエネルギー効率を評価する「Green500」リストでも首位に立った。Frontierの消費電力は1ワット当たり52.23ギガフロップスだった。Green500リストは2007年に初めて公表され、Green500.orgによって年に2回発表される。このリストは通常、Top500.orgが発表する世界のスーパコンピュータトップ500リストを補足する役割を果たす。

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