ウクライナ停戦交渉、合意遠く 仲介トルコは打つ手なし

東京, 4月24日, /AJMEDIA

ウクライナ停戦交渉はロシア軍による民間人の大量殺害疑惑などで暗礁に乗り上げ、合意が見通せない状況にある。仲介役としてイスタンブールでの停戦協議を実現させたトルコは、事態打開のため首脳会談の開催を繰り返し呼び掛けている。ただ、5月9日の旧ソ連の対ドイツ戦勝記念日に向けて「戦果」を急ぐロシアは、作戦を一層強化する構えで、当面は打つ手がないのが実情だ。
 トルコのエルドアン大統領は22日、「近いうちに(ロシアとウクライナの)プーチン、ゼレンスキー両大統領と(改めて)電話会談を行いたい」と表明。停戦機運が遠のく中、引き続き両者の仲介に全力を挙げる意向を示した。
 ゼレンスキー氏はロシアが今後も攻勢を強めれば「交渉を打ち切る」と警告する一方で、プーチン氏との直接会談は原則必要という立場。これに対し、プーチン氏は会談に応じる姿勢を示しておらず、トルコにとってはロシアをどう説得するかが鍵となる。
 トルコのチャブシオール外相は20日、地元テレビの番組で、名指しを避けつつも「北大西洋条約機構(NATO)の中には、交戦継続によるロシアの弱体化を念頭に置き、停戦を望まない国がある」と指摘。発言にはトルコがNATO加盟国でありながら、ロシアに配慮する立場を誇示して秋波を送る狙いがあるとみられる。
 停戦交渉の対面での協議は3月29日にイスタンブールで行われて以来、開催のめどが立っていない。4月に入ってロシア軍が撤収したウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊で民間人の遺体が多数見つかり、ゼレンスキー氏は「ロシアの行いを踏まえると、交渉を進めるのはとても難しい」と態度を硬化させた。南東部マリウポリでのロシア軍による民間人への無差別攻撃も打撃となった。
 一方、プーチン氏は「ウクライナ側はイスタンブールでの合意から離れ、交渉が行き詰まった」と主張。2014年にウクライナから奪取したクリミア半島の帰属など、2月24日に始まった本格侵攻以前からの問題を、ウクライナ側が議題に持ち込むことに警戒を強めている。

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