アフガニスタンで中学・高校が再開、女子は呼ばれず

東京, 9月21日, /AJMEDIA/

武装勢力タリバンが掌握したアフガニスタンで18日、中学・高校が授業を再開した。しかしタリバンの発令は「すべての男性教師と男子生徒は、それぞれの教育機関に戻るように」というもので、女性教師や女子生徒への呼びかけはなかった。アフガニスタンの中等学校には通常、13歳から18歳の生徒が通い、その大半は男女別に分かれている。

アフガニスタンのバクタル通信によると、タリバンのザビフラ・ムジャヒド報道担当は後に、女子の学校も近く再開すると述べたという。タリバン当局は現在、そのための「手続き」や教師の配分など詳細について作業を重ねていると説明したという。

ムジャヒド報道官はBBCに対して、当局は年長の女子生徒のための移動手動を整備しているのだと話した。

タリバンは12日、女性が大学で学ぶことは認めるものの、国内の大学で男女共学を禁止すると発表した。また今後、女子学生に対して、新たな服装規定を制定するとしている。

大学の側が男女別の教室や授業を用意することが難しいため、この決定は実質的に女子を大学教育から排除するものだという指摘もあった。

女子生徒が中等学校に行けなくなれば、その先の大学への進学はほぼ不可能になる。

1996~2001年の旧タリバン政権は、イスラム教に対する独自の解釈にもとづき、女子の教育や就労を厳しく制限した。

20年を経て今年8月に復権したタリバンは、「イスラム法の枠内」でアフガニスタンの女性の権利を認めると述べ、イスラムの決まりに沿って女子が教育を受ける権利や働く権利を認めると述べてきた。しかしその一方で、治安状況が改善するまで女性は家にいるよう通告している。

タリバンの暫定政府に女性の入閣がなかったことに抗議する女性たちを、タリバンの戦闘員が攻撃する事態も起きている。

「未来がとても不安」

多くの女子生徒や保護者たちは18日、将来の見通しは暗いと話した。

弁護士になりたかったと話す女子生徒は、「自分の未来がとても不安だ」と述べ、「何もかもとても暗く見える。毎日起きるたび、何のために生きているの?と自問自答する。ずっと家にいて、誰かが玄関をたたいて結婚しようと言ってくれるのを待つべきなの? それが女であることの目的なの?」と話した。

この女子生徒の父親は、「私の母は読み書きができず、父は常に母をいじめて、ばか呼ばわりしていた。自分の娘には、母のようになってもらいたくなかった」と話した。

カブールに住む別の女子生徒(16)は、「悲しい日だ」と述べた。

「医者になりたかったのに! その夢は消えてしまった。学校にまた行かせてもらえるのか分からない。たとえ高校を再開したとしても、タリバンは女性が教育を受けることを望んでいない」

教育の後退

米同時多発攻撃を契機にアメリカを中心とした連合軍が2001年10月にアフガニスタン侵攻を開始し、当時のタリバン政権を倒して以降、アフガニスタンでは就学率や識字率の向上の取り組みが精力的に進められた。とりわけ、女性や女子の就学率・識字率の向上は大いに進んだ。

小学校で学ぶ女子の数は、ほとんどゼロだった状態から250万人に拡大。女性の識字率は10年間で、30%とほぼ倍増した。ただし、こうした改善の多くは都市部でのものだった。

教育省の報道官だったノロリャ・ニザト氏は、「アフガンの女性や女子の教育が後退してしまう」と話した。「タリバンが1990年代に何をしたか、誰もが思い出す。あのせいでこの国には一世代にわたり、文字が読めず、教育を受けていない女性たちができてしまった」。

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