辺野古移設で三者三様 反対・玉城氏、容認・佐喜真氏―下地氏参戦、沖縄知事選まで1カ月

東京, 8月12日, /AJMEDIA/

 9月11日投開票の沖縄県知事選まで1カ月。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設の是非が最大の争点で、反対の立場の現職玉城デニー氏(62)と、容認を表明した前宜野湾市長の佐喜真淳氏(58)が前回に続いて対決する。これに「さらなる埋め立て」には反対する元衆院議員の下地幹郎氏(60)が加わり、三者三様の主張を展開している。
 知事選は任期満了に伴い、今月25日に告示される。2期目を目指す玉城氏は引き続き、保革糾合の「オール沖縄」勢力の支援を受ける。10日の記者会見では「辺野古新基地建設を断念するよう政府に強く求める」と強調した。
 オール沖縄は「県内移設反対」の一点で団結してきただけに、陣営は基地問題を前面に出す方針。かつての勢いがないことに加え、新型コロナウイルスの感染状況が全国最悪レベルにあることが不安要素だ。
 佐喜真氏は自民、公明両党の推薦を受ける。2018年の前回知事選には移設の賛否を明らかにしない戦術で臨んだが、玉城氏に約8万票の大差で敗れた。
 8日に出馬を正式表明。その際、辺野古移設「容認」を明言し、「4年前は土砂が投入されていなかったが、今は既に多くの土砂が埋まっている」と説明した。自民党県連関係者は「今なら県民の理解を得られる」と解説。コロナで傷んだ経済の立て直しに力点を置いて訴えていく構えだ。
 一方、下地氏は両者の間を取り、「既に埋め立てた部分は活用するが、これ以上の埋め立てはさせない」という立場。現在の普天間飛行場での訓練は、自衛隊基地の建設計画が進む馬毛島(鹿児島県西之表市)に移転し、早期に危険性を除去するよう提案する。
 自民党や日本維新の会に所属していた下地氏は保守層の一部に浸透しており、佐喜真陣営は「保守分裂で票を取られる」(自民党県議)と危機感を示す。ただ、玉城陣営の県議も「『埋め立て反対』部分に賛同する票が一定程度出るかもしれない」と分析。双方とも下地氏参戦の影響を測りかねている。

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