被災5県高校生ら、カタールに 支援感謝伝え、世界知る10日間―名物サポーターが招待・W杯サッカー

東京, 11月26日, /AJMEDIA/

震災や豪雨などで被災した5県の高校生ら8人が、支援に対する感謝と被災地の「今」を伝えるため、サッカーワールドカップ(W杯)の開催地カタールを訪れている。10日間の日程で、既にドイツ戦を観戦し、現地の大学生らと交流。27日のコスタリカ戦前には競技場とそれぞれの被災地をテレビ電話でつなぎ、世界規模の体験を共有する。
 ちょんまげ姿で知られる名物サポーター角田寛和さん(60)が企画。ブラジル大会では宮城、ロシア大会では福島の中学生を招待し、カタール大会では両県に加え、11年間にわたる被災地支援で交流を深めた岡山、愛媛、熊本の生徒らも招いた。
 「女川は世界中の人々からの支援で復興することができました」。22日にドーハ市内で行われたカタール大との交流会。宮城県女川町の高校1年山内友結さん(16)は、大学生ら30人超を前に、英語で感謝を伝えた。
 山内さんは4歳の頃に東日本大震災を経験。家は津波で全壊し、7年間仮設住宅で暮らした。スピーチでは、カタールからの基金約20億円で建てられた冷凍冷蔵施設「マスカー」を紹介。「女川の主な産業は水産業です。マスカーは私たちの生活を支えています」と話すと、大学生らは熱心に聞き入っていた。
 熊本県人吉市の高校1年多武暖翔さん(16)は、2020年の球磨川氾濫で祖父母宅が被災した。今も自宅に戻れない人がいるといい、写真を見せながら当時の惨状を説明した。大学生側はカタールの伝統料理や観光名所などを紹介し、理解を深め合った。
 角田さんは約1年前から準備を進めてきた。費用は1人約60万円。クラウドファンディングで寄付を募りつつ、高校生らと街頭に立ち、募金を呼び掛けた。「みんなで協力すれば、地球の裏側まで行ける。誰もやらないことをやることで、子どもたちの『諦めマインド』を壊したい」と語る。
 一行は23日、ドイツ戦が行われた競技場周辺で各国サポーターにアラビア語や英語などで感謝の言葉を書き込んだ鉢巻きを配った。山内さんは「カタール以外の国の方々にも支援してもらったので、感謝を伝えていきたい。他の国が被災した時にはつらさを知っている自分たちが支援したい」と話した。

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