米大統領、日本・オセアニア歴訪 対中にらみパプア初訪問

東京, 5月16日, /AJMEDIA/

【ワシントン時事】バイデン米大統領は先進7カ国首脳会議(G7サミット)出席のため、18日から広島を訪問する。この後、南太平洋のパプアニューギニアやオーストラリアを歴訪。ロシアのウクライナ侵攻への対応に追われる中、中国との覇権争いの主戦場であるインド太平洋地域で改めて米国の存在感を示す狙いがある。

 最大の目玉は、現職大統領として初めてのパプアニューギニア訪問だ。中国はインフラなど経済協力を足掛かりに、軍事面でも太平洋島しょ国への影響力を拡大している。バイデン氏はパプアニューギニアと防衛協定を準備するほか、首都ポートモレスビーで島しょ国首脳陣との会談を予定し「歴史的訪問」(ジャンピエール大統領報道官)となる。
 同盟国・友好国との関係強化をアジア外交の基軸とするバイデン氏は、今年に入り、日本や韓国、英国、オーストラリア、フィリピンの首脳を相次ぎ米国に招待した。今回の歴訪はその延長線上にあり、シドニーでは日米豪とインドの4カ国枠組み「クアッド」首脳会議に参加。海洋安全保障などで連携を図る。
 一方、対中国の重要な柱が、半導体や重要鉱物など戦略物資の「脱中国依存」だ。サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は4月の講演で、米国と同志国による「最先端技術産業基盤」を掲げ、サプライチェーン(供給網)の再構築を急ぐ方針を明らかにした。バイデン氏は広島サミットで、対ウクライナ支援の継続とともに、新たな供給網構築を呼び掛けるとみられる。
 こうした中、連邦政府の借入限度額である「債務上限」引き上げを巡る対立が影を落としている。バイデン氏は16日にも与野党の議会幹部と再協議に臨むが、14日時点では妥協点を見いだすに至っていない。野党共和党と歩み寄れず、内政面の指導力に疑問符が付けば、外交の舞台でも威信低下は避けられない。

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