立民・小沢氏、動き活発 「最終戦」党内冷ややか

東京, 7月31日, /AJMEDIA/

立憲民主党の小沢一郎衆院議員(81)が活動を活発化させている。次期衆院選を自身にとり3度目の政権奪取を目指す「最終戦」と位置付け、野党共闘に向けた動きを主導する。ただ、立民内では今も「旧民主党政権を崩壊させた張本人」(中堅)とのイメージが強く、冷めた空気も漂う。
次期衆院選「政権交代へ最終戦」 立民・小沢一郎衆院議員インタビュー―「55年体制」崩壊30年

 小沢氏は6月、衆院選の野党候補一本化を主張する「有志の会」を結成。立民所属衆院議員の半数以上に当たる50人超が名を連ねた。これを受け、共産党との協力に否定的だった泉健太代表は、野党間の候補者調整を進める方針へ転換を迫られた。
 7月24日に開いた有志の会の会合で、小沢氏は「国民の期待に応えるため、野党統一候補で政権交代実現。ぶれずに今後とも頑張りたい」と健在ぶりをアピールした。
 新たな党内議員グループ「一清会(いっせいかい)」も設立し、自ら会長に就いた。2019年に旧国民民主党に合流して以降、遠ざかっていたメディアにも積極的に登場。最近は立民議員のパーティーで、次期衆院選の目標として150議席獲得を掲げる泉氏の方針を批判した。
 一連の動きの背景について、小沢氏周辺は「党の行く末への危機感が強い」と指摘。「政治家人生の最後として、次期衆院選でせめて政権交代の芽をつくりたいということだろう」と解説する。現状では「子飼い」の候補の苦戦が予想されるため「早めに手を打っている」(立民関係者)とみる向きもある。
 ただ、一清会に集まった議員は約15人。党内では当初、「泉降ろし」につながるとの見方があったが、今のところ大きな流れにはなっていない。
 01年にスタートした小沢氏の政治塾は今年2月に活動を休止。自民党を飛び出して1993年に細川政権を誕生させ、09年に民主党で2度目の政権奪取を果たし、100人規模で国会議員を動かした「豪腕」の印象はない。消費税増税を巡る12年の政局で50人ほど引き連れて離党し、政権を混乱に陥れた過去も影響している。
 地元の岩手県でも状況は厳しくなっている。連続当選18回だが、21年の前回衆院選では69年の初当選以来初めて選挙区で敗れ、比例復活に甘んじた。岩手県知事選(8月17日告示、9月3日投開票)は小沢氏に近い現職に与党の支援する新人が挑む構図で、激しい選挙戦が見込まれている。
 「小沢氏によって党の方針は変わらない」。立民幹部は次の出方を気にしつつ、こう明言した。

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