独、「気候クラブ」設立目指す 脱炭素ルール作りで主導権―G7

東京, 6月26日, /AJMEDIA/

26日からドイツ南部エルマウで開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、議長国ドイツは共通の気候変動対策を実行する有志国連合「気候クラブ」設立を提唱する方針だ。背景には、産業政策と密接に絡むようになった気候変動対策のルール作りで主導権を握ることで、脱炭素を進めつつ、競争力を維持する狙いがある。
 ショルツ独首相はG7を前に25日に発表したビデオ声明で、ロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー価格高騰に対応し、化石燃料からの脱却を図るためにも「気候クラブを実現することは使命だ」と表明。G7で重点的に協議する方針を示した。
 気候クラブの柱は、排出される二酸化炭素(CO 2)に価格を付け、企業や家計に負担を求めることで排出削減を促す「カーボンプライシング」での国際協調。ドイツなど欧州諸国では同措置が普及しているが、未導入の国の産業に比べ、競争力が低下するとの不満がある。
 価格について「クラブ」内で同じか近い水準で国際合意ができれば、こうした問題は解消される。即時導入は困難だが、「クラブ」外の国からの製品輸入に関税を上乗せする案もある。
 G7内での合意は容易ではない。特に、欧州に比べカーボンプライシングが普及していない日米は消極的だ。
 ただ、ショルツ氏はG7だけでなく、開発途上国を巻き込むことも目指す方針。今回のG7にもインドや南アフリカなどが招かれた。独政府高官は「会議の最後の最後まで(G7後に出す成果文書内の)表現をめぐり交渉が行われるだろう」と、容易に妥協しない姿勢を示している。

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