無人タクシー、実用化へ 自動運転、IT主導で加速―中国

東京, 6月20日, /AJMEDIA/

自動運転の技術開発競争が世界的に激化する中、中国では運転手がいない「無人タクシー」の実用化にめどが立ちつつある。中国の自動運転は、IT大手の主導で開発が加速しており、政府も国家戦略として支援。自動車大手を抱える日本や欧米に先行して自動運転が普及する可能性は高い。
 北京市郊外の経済技術開発区。車体にカメラやセンサーを載せた特徴的な姿のタクシーが目立つ。専用アプリで呼び出して乗車すると、助手席にスタッフが座っているものの、運転席は無人だ。交通量の多い場所でも同乗スタッフがハンドルを握るような危ない場面はなく、5分ほどで約2キロ先の目的地に到着した。
 運営するのは「中国のグーグル」とされるIT大手・百度(バイドゥ)。安全要員が運転席に座る形での運行は既に手掛けていたが、4月下旬から運転席を無人とする形の運行を始め、自動運転のレベルを引き上げた。開始時点では10台だったが、その後20台に倍増。同社は2030年までに国内100都市で事業展開を目指しており、「今後も運行台数を増やし、必要なデータを集めたい」(広報)としている。中国メディアによると、スタッフが同乗しない「完全無人運転」が年内に実現する可能性もあるという。
 中国政府は自動運転を戦略的に重視し、各地方政府も競うように公道での実証試験を承認。広東省広州市では「無人バス」の運行や「無人道路清掃車」の利用も始まった。
 北京の開発区では、トヨタ自動車が出資する新興企業の無人タクシーも走っていた。日系自動車メーカーの担当者は「中国は日本の数歩先を進んでいる」と危機感を示した。

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