核禁条約、21日初の締約国会議 脅威高まる中、廃絶訴え

東京, 6月20日, /AJMEDIA/

昨年1月に発効した核兵器禁止条約の第1回締約国会議が21~23日の日程でウィーンで開かれる。ウクライナに侵攻したロシアが核による威嚇を繰り返し、核戦争の脅威が強く意識される中、非核保有国のみで構成する締約国は、核廃絶を通じて平和をもたらす決意を改めて強調する。
 核禁条約は、核兵器の使用や威嚇、開発、実験、製造などを全面禁止する条約だ。核拡散防止条約(NPT)で核保有を許された米英仏中ロが核軍縮を進めないことに業を煮やした非核保有国が、核兵器の非人道性を訴えて合意形成を図り、2017年の国連総会で採択された。これまでにアフリカやアジア、南米などの86カ国・地域が署名し、うち62カ国・地域が批准した。
 一方で、米ロをはじめとする核保有国は一国も参加しておらず、米国の核の傘に頼る日韓や北大西洋条約機構(NATO)各国も非加盟だ。岸田文雄首相は15日、「現実的な核軍縮・不拡散の取り組み」を進めることが重要だと述べ、加盟に慎重な姿勢を改めて示した。
 ロシアはウクライナ侵攻後、核兵器を扱う部隊による演習を行うなど核戦力を誇示。反核世論が強いドイツでも世論調査で、米国の戦術核兵器を自国に配備する「核共有」政策の継続を支持する意見が過半数に達するなど、国際的に核軍縮には逆風が吹いている。
 ただ、NATO加盟国の中でもドイツとノルウェーは会議へのオブザーバー参加を決めており、核保有国と非保有国の橋渡しを行おうという機運もある。また、日本政府は不在だが、会議や同時開催の関連イベントには、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の木戸季市事務局長ら被爆者や松井一実広島市長、田上富久長崎市長が参加。唯一の被爆国の立場から核廃絶を訴える。

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