政府、「弔問外交」へ準備本格化 トランプ氏の対応注視―故安倍元首相の国葬

東京, 7月24日, /AJMEDIA/

 9月27日に日本武道館で行われる故安倍晋三元首相の国葬には、各国の要人が参列し、大規模な「弔問外交」が展開される見通しだ。外務省は省内に「国葬儀準備事務局」を設置し、受け入れに万全を期す。どのような要人が来日するかにも関心が高まっており、特にトランプ前米大統領やロシアの動向を注視している。
 林芳正外相は22日の記者会見で、各国から弔意が示されたことに触れ、「安倍元首相が外交で残した大きな足跡を改めて感じている」と表明。弔問外交を通じ「暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く決意を示す」と語った。
 安倍氏は憲政史上最長の政権を樹立し、「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を展開。第2次政権発足以降、80カ国・地域を訪問し、各国首脳と個人的な人間関係を築いた。政府関係者は「相当な人数が弔問に来る」と予想しており、30人規模の準備事務局を中心に岸田文雄首相や林氏と外国要人の会談の日程調整などに当たる。
 2000年に行われた故小渕恵三元首相の内閣・自民党合同葬の際は、150以上の国・地域から特使や在京大使が参列、当時のクリントン米大統領や金大中韓国大統領も来日した。
 今回、バイデン米大統領は来日しないとの見方が強く、ハリス副大統領の名前などが取り沙汰される。現地メディアは安倍氏と親密な関係を築いたトランプ氏が弔問を検討していると報じた。同氏は次期大統領選への出馬を示唆しており、外務省幹部は「来る場合、間違っても現政権の一行と鉢合わせさせてはならない」と神経をとがらせる。
 ロシアについては、ウクライナ侵攻が続く中だけに、日ロ外交筋は「この状況で要人が来るとは思えない」とみる。ただ、日本政府はロシアにも国葬の開催を通知しており、参加の意思が示されれば難しい対応を迫られそうだ。
 中国は小渕氏の合同葬では当時の副首相を派遣した。日中外交筋は今回も中国政府要人が来日するとの見方を示した上で、「弔問外交で日中関係を前に進めようという雰囲気が出てくるかもしれない」と語った。

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