北朝鮮のコメ輸入急増 食糧難の深刻化指摘も―中朝貿易

東京, 5月1日, /AJMEDIA/

中国税関総署が4月に発表した貿易統計によると、3月の北朝鮮の中国からのコメ輸入は、前月比約2.5倍の4万6762トンだった。1~3月で昨年1年間の総量を上回るコメを購入。昨年秋以降、北朝鮮は通常食べない安価な長粒米も買い入れており、食糧難の深刻化が指摘されている。
 中朝間の1~3月の貿易総額は、前年同期比約150%増の約4億8600万ドル(約660億円)。新型コロナウイルスの影響で北朝鮮が国境を封鎖する前の2019年1~3月とほぼ同水準となった。
 国連安保理決議に基づく経済制裁に加え、国境封鎖や悪天候が北朝鮮の食糧難に拍車を掛けた。22年には国内で穀物取引の統制が強化され、状況はさらに悪化。北朝鮮にとって対外貿易の9割を占める中国との経済活動の拡大は、今後必須とみられる。
 中国遼寧省丹東市では国境の鴨緑江に架かる全長約3キロの「新鴨緑江大橋」が開通を待つばかりとなっている。中朝協力のシンボルとして10年に着工した大橋は14年にはほぼ完成したが、北朝鮮側の道路整備の遅れなどで開通に至っていない。中国側では既に通関設備も整い、地元関係者は「貿易が本格的に再開したら、トラック輸送の大動脈になる」と期待を寄せている。

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