公明、比例不振に危機感 組織衰え指摘、打開策なく―参院選

東京, 7月17日, /AJMEDIA/

 公明党は先の参院選比例代表で、得票数を昨年の衆院選から100万票近く減らし、改選7議席から6議席に後退した。比例代表制が初めて採用された1983年参院選以降、国政選挙で史上2番目の低さだった。原因に関し、党内には選挙戦略のミスや高齢化が進む組織の衰えを指摘する向きもあるが、打開策は見当たらず、党内には危機感が広がっている。
 「極めて残念だ。私の力不足をおわびしなければならない」。山口那津男代表は11日、厳しい表情で記者団にこう語った。比例の過去最低は89年参院選の609万票。今回は618万票とほぼ並ぶ。選挙区では7人全員当選を果たし、党声明は「大善戦」と総括したが党内の空気は重苦しい。
 比例票は右肩下がりの退潮傾向をたどっている。898万票を獲得した2005年衆院選をピークに、19年参院選は653万票まで減少。21年衆院選は711万票まで盛り返したが、下落に歯止めがかかっていない状況だ。
 党の重鎮は今回の「比例不振」について、兵庫など激戦と位置付けた選挙区への対応に集中して比例対策がおろそかになったためと指摘する。党関係者は自民党との「相互推薦」を含む選挙協力が効果を上げなかったと振り返った。大半の1人区で自民党が優勢だったことから、公明党に見返りで比例票を回す動きが鈍かったとの分析だ。
 別の党関係者は支持母体・創価学会に関し「組織力が衰えているのは事実。支持者が高齢化し、力がなくなっている」と明かした。ただ、全体の運動量低下という構造的な問題を直ちに解決するのは難しく、党幹部は「どうすればいいのか」と頭を抱える。
 9月には在任12年を超える山口氏が代表任期満了を迎える。世代交代を図り、現状打破に向けた方策を探るのか、去就が焦点となる。来年春には党が重視する統一地方選も控える。今月末に開かれる党全国県代表協議会では地方組織幹部から厳しい声が上がることも予想される。

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