五輪招致が争点に浮上 反対の元市幹部出馬へ―札幌市長選

東京, 7月17日, /AJMEDIA/

 来春の任期満了に伴う札幌市長選で、市が目指す2030年冬季五輪・パラリンピックの招致が争点に浮上した。市が行った意向調査では賛成が5割にとどまり、さらなる市民の理解が求められている。市長選の動きが招致活動に影響する可能性もありそうだ。
 30年大会の開催地は年内にも一本化が見込まれ、来年5~6月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で決まる予定。
 こうした中で15日、市職員出身で元市民文化局長の高野馨氏(63)が「五輪招致反対の立場で立候補し、市民に賛否を問う」と出馬表明した。現職で2期目の秋元克広市長(66)も3選に意欲的とみられ、市長選の争点について「五輪が一つであることは間違いない」と認める。
 市が3月、市民1万人に郵送で行った意向調査(回収率58%)は、五輪招致に賛成意見が52%、反対意見が38%だった。共産党などは市民の意向を確認するため、招致の賛否を問う住民投票を行う条例案を市議会に提出したが、6月に反対多数で否決された。
 1972年の冬季五輪を機にインフラ整備が進んだ市にとって、2回目の招致は「まちの再整備に欠かせないもの」(市幹部)だ。意向調査で懸念が多かった大会経費について、市は広報誌や出前講座を通じて、既存施設の活用で対応することや、招致による経済効果も説明する。
 全国的な機運醸成では日本オリンピック委員会(JOC)と共に「プロモーション委員会」を立ち上げ、開催意義の磨き上げや発信を図るが、市民に直接説明する場は少なく、先の幹部は「本気で市民理解を広げる気があるのか」と疑問を投げ掛ける。

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