中国で地位低下進む共青団 創設100年、記念行事なし

東京, 5月08日, /AJMEDIA/

中国共産党が指導する青年組織、共産主義青年団(共青団)が、1922年5月の創設から100年を迎えた。かつてはエリート集団とされ、胡錦濤前国家主席ら多くの指導者・幹部を輩出したが、習近平国家主席(党総書記)は影響力排除に力を入れてきた。節目の年にもかかわらず、共青団の地位低下を表すかのように大規模な行事は開かれていない。
 団創設100年となった5日、党機関紙・人民日報は各地の共青団の活動を短く紹介する記事を掲載した。創設90年の2012年には国家主席だった胡氏が出席し、盛大に記念式典が開かれたのとは対照的だ。今年の記念日の地味な扱いは、「組織が形骸化している」などと団を批判してきた習氏の意向を反映している可能性が高い。
 共青団は12年末には8990万人の団員を抱えていたが、21年末には7371万人まで減少した。団トップを務める賀軍科・第1書記は今年4月下旬、「新時代の中国青年」と題した白書の記者会見に出席し、久しぶりに表舞台に姿を現したが、創設100年については控えめに触れたのみ。賀氏は「習総書記の重要思想を深く貫徹し、党大会の開催を勝利で迎える」と、習氏に対する「忠誠」を強調した。
 団トップは長年、将来の指導者候補として厚遇される例が続いていた。しかし、17年には当時のトップ、秦宜智・第1書記が食品などの安全管理部門の副局長に就任。事実上の更迭で、出世レースから外れた形となった。後任は9カ月もの空白期間を経て、賀氏が第1書記に就任した。
 次期指導部人事を決める今秋の党大会は、共青団出身者の去就が焦点の一つだ。現指導部では、李克強首相や胡春華副首相らが第1書記の経験者。李首相は憲法の規定により23年3月で首相任期を終えるが、要職に転じる可能性がある。胡副首相は実務能力の高さに定評があり、首相候補と目されてきた。ただ、3期目を目指す習氏は共青団出身者を外し、自らの側近を重用しようとしているという見方が強い。

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