中国、中東で影響力拡大狙う 米国との関係にくさび―習主席サウジ訪問

東京, 12月11日, /AJMEDIA/

中国の習近平国家主席は約7年ぶりとなるサウジアラビア訪問で、アラブ諸国への影響力拡大を図った。米国の存在感が中東で薄れる中、外交攻勢を通じてサウジなどの親米国と米国との間にくさびを打つのが狙い。自らが推進する巨大経済圏構想「一帯一路」での協力も打ち出し、米国の「中国包囲網」に対抗する構えを鮮明にした。
 7日にサウジ入りした習主席は、8日にサルマン国王や首相を務めるムハンマド皇太子と会談した。両国は戦略協定を結んだ上で、「一帯一路」とサウジの経済改革計画「ビジョン2030」の連携を進め、直接投資を増やすことをうたった覚書も交わした。中国は最大の石油供給元であるサウジと経済を軸に結束を強固にしたい考えだ。
 習主席は9日には、ペルシャ湾岸6カ国から成る湾岸協力会議(GCC)に出席し、石油などの輸入を拡大すると約束。エネルギーや先端技術などの分野で双方が協力することで一致した。アラブ諸国との会議でも、習主席は「『ウィンウィン』な協力を推進すべきだ」と主張し、各国が「一帯一路への参加の重要性」で合意した。
 アラブ諸国との会議終了後の声明では、「民主主義を名目にした内政干渉」「人権問題の政治化」に反対すると明記された。アラブ側にサウジや中国と同様に人権問題で米国と対立する国が多いため、こうした文言が盛り込まれたとみられる。
 石油依存から脱却するために経済の多角化を進めるサウジとしては、中国の接近は好都合だった。ただ、サウジは米国の中東における最大の同盟国でもある。AFP通信によると、サウジのファイサル外相は会議後の記者会見で「われわれはすべてのパートナーと協力を続ける」と述べ、中国一辺倒にはならないとの考えを示唆している。

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