ロ軍の疲弊鮮明 制裁で兵器調達困難に―西側情報筋

東京, 5月10日, /AJMEDIA/

ウクライナ侵攻を続けるロシア軍の疲弊が鮮明になっている。経済制裁の影響で、兵器など軍事物資の調達がままならないことが要因の一つだ。現在の規模の戦闘を維持した場合、月内か6月に軍事資源が枯渇するとの分析があり、西側情報筋は「ロシアは(戦闘の)規模を縮小し、長期戦に持ち込む公算が大きい」と指摘した。
 英国防省は2日、ロシアが侵攻開始時に投入した兵力について、4分の1以上が「戦闘不能」になった可能性が高いとする分析結果を公表した。空挺(くうてい)部隊を含む精鋭部隊が最も大きな打撃を受けているとされ、部隊再建に「数年を要する」と同省は見ている。
 激しい消耗の背景には、ウクライナ軍の有効な反撃のほか、ロシア軍の補給の不備、戦術ミス、訓練不足など複数の要因がある。補給の必要な軍需品が不足していることも大きい。
 ロシアはミサイル製造に必要な半導体などのハイテク製品を外国から調達していたが、米主導の国際的な輸出規制により入手が難しくなった。英軍制服組トップのラダキン国防参謀長は5日、英テレビのインタビューで、ロシアのプーチン大統領が軍に物資を供給するための厳しい「補給戦争」に直面しているとの見解を示した。
 西側情報筋は「兵器や燃料といった物資の生産が、需要に全く追いついていないようだ」と指摘する。戦時、軍需施設では平時を大幅に上回る生産態勢が必要だが、「(ロシア国内の)軍需関連工場の稼働率は平時より低い。戦車が故障しても(修理に必要な)部品を十分に生産できていない」(同筋)状況という。

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