モスクワに防空兵器配備 ドローン対策か、大統領公邸も―ロシア

東京, 1月25日, /AJMEDIA/

 ロシア・モスクワの複数のビル屋上に、対空防衛システム「パンツィリS1」が設置されたもようだ。24日で侵攻開始から11カ月となったが、プーチン政権はウクライナ軍が首都を含むロシア本土への本格的なドローン攻撃に踏み切るシナリオを現実的に捉えているとみられる。
 23日に独立系メディアが伝えたところでは、モスクワ郊外の大統領公邸に加え、プーチン大統領が訪れる北西部ノブゴロド州の別荘付近でも展開するパンツィリS1が目撃された。
 モスクワでは国防省庁舎のほか、地下鉄環状線のタガンスカヤ駅近くでクレーンでつり上げられ、ビル屋上に配備されているのが見つかった。それぞれクレムリン(大統領府)から見て南西と南東に位置。仮にウクライナ軍によるドローン攻撃があれば、南から飛来することになり、迎え撃つ形で置かれた。ソーシャルメディアに投稿された写真によれば、国防省庁舎の屋上には昨年12月末に存在した。
 パンツィリS1の配備について、政権は公式に認めていない。一方、米シンクタンクの戦争研究所は20日付の報告書で「(国民に)実際に戦争が起きていると示し、長期化に向けた環境を整備する」のがロシアの狙いだと主張。あえて人目に触れるモスクワで緊張をあおる国内向けアピールの可能性を指摘した。
 ただ、ノブゴロド州のプーチン氏の別荘は近隣住民がほぼ皆無とされ、兵器を人々の目に触れさせるという戦争研究所の説明は当てはまらなくなる。昨年12月にはロシア本土の空軍基地を狙ったウクライナ軍のドローン攻撃が複数回起き、プーチン政権に衝撃が走った。政権は最高指導者を守るため、対応を急いだようだ。

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