プーチン氏「風船爆弾」恐れる? 厳しい取材制限―ロシア戦勝記念日

東京, 5月6日, /AJMEDIA/

 ロシアのプーチン大統領は旧ソ連の対ドイツ戦勝記念日の9日、モスクワ「赤の広場」で演説に臨む予定だ。しかし、今年は警備が厳しくなるとされ、政権は爆弾テロを恐れ、ドローンだけでなく風船の持ち込みも禁止。例年認められる外国メディアの取材も一定の制限が加えられるという見方が出ている。
 「計画に変更はない」。ペスコフ大統領報道官は「やらせ」とも指摘される3日の「ウクライナのドローンによるプーチン氏暗殺未遂」に関係なく、戦勝記念行事を行うと確認した。4日はモスクワで軍事パレードのリハーサルがあった。
 ドローン事件を巡るロシアの発表は、ウクライナに「報復」をちらつかせて反転攻勢に出ないようけん制する思惑のほか、長期戦を見据えて国内を引き締める狙いもあるとみられている。事件の真相がどうであれ、9日の「破壊工作」を防ぐのは最優先課題だ。
 赤の広場の取材登録をしたロシアのメディアには「安全上の注意」が伝えられたとされる。それによると「持ち込み不可」の物品に今年は風船や電子たばこが追加された。たこ揚げも昨年に続いて厳禁。4月にはサンクトペテルブルクで軍事ブロガーが爆殺されたばかりで、政権はドローンを含めてリスクを除去したい考えとみられる。
 プーチン氏はウクライナ侵攻開始後、徐々に外国メディアの取材を受けなくなり、昨年は年末恒例の大規模記者会見をキャンセルした。今年2月の年次教書演説でも、外国メディアを閉め出した。背景には、戦時下で警護をさらに強化した事情があるもようだ。
 米シンクタンクの戦争研究所は3日、ドローン事件について「(政権が)戦勝記念行事を中止・縮小した場合、正当化する口実に利用するかもしれない」と指摘した。プーチン氏を守るために行事を取りやめる可能性すらゼロではないとみられている。

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