トランプ氏、20年は所得税ゼロ 米下院委が納税記録公開―巨額赤字、「成功者」イメージに傷

東京, 12月31日, /AJMEDIA/

米下院歳入委員会は30日、トランプ前米大統領の在任中を含む納税記録を公開した。それによると、大統領任期の実質最終年だった2020年は経営事業に損失が生じた影響で、所得税を全く納めていなかった。「成功した実業家」というイメージに傷が付き、24年大統領選に出馬表明したトランプ氏にとって政治的打撃になると、米メディアは分析している。
 公開されたのは15年~20年の6年分の記録。15年に約64万ドル(約8400万円)、18年に約100万ドル(約1億3100万円)、19年に約13万ドル(約1700万円)の所得税を納めた一方、16年と17年はいずれも750ドル(約10万円)で、20年はゼロだった。
 納税額の変動幅が大きいのは、経営する事業の利益や損失を反映しているため。6年間に計約8187万ドル(約107億円)もの赤字を計上した半面、黒字は計約2872万ドル(約37億円)にとどまった。
 米メディアによると、トランプ氏は大統領在任中、中国やアイルランド、英国など外国に銀行口座を保有していたほか、海外の事業でも収益を上げていた。
 トランプ氏は30日、声明を発表。納税記録は税控除制度を利用して事業を成功させた証しだと豪語した上で、「公表すべきではなかった。急進左派の民主党は、あらゆるものを攻撃材料に変えた」と反発した。「双方向である危険を忘れるな」とも語り、同委を主導する民主党への「報復」を示唆した。
 大統領やその有力候補は慣例として、納税記録を自主的に公開してきたが、トランプ氏は一貫して拒否。民主党は3年前から公表を求め、連邦最高裁が11月、同委への開示を認める判断を下していた。
 歳入委のニール委員長(民主)は、公開に当たり「大統領は普通の納税者ではない。大きな力には大きな責任が伴う」と述べた。
 同委によると、トランプ氏就任後の17、18両年、日本の国税庁にあたる内国歳入庁が大統領の税監査を行っていなかったことも分かった。米国には同庁が毎年、大統領の納税状況を監査する規定があるため、同委が問題視している。

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