ゼロコロナ、識者からも疑問 上海で広がる「北京不信」―中国

東京, 4月25日, /AJMEDIA

新型コロナウイルスの感染を徹底的に封じ込める中国のゼロコロナ政策に、国内の識者が疑問の声を上げ始めた。上海では1カ月近く、大半でロックダウン(都市封鎖)が続くが、毎日2万人前後のペースで感染者が増加。中央政府が指揮する防疫対策に不信感が広がっている。
 「長く続けることはできない」。新型コロナ対策の権威、鍾南山医師は最近、国内の英文学術誌でゼロコロナ政策の限界を指摘。社会・経済活動を正常化し、国際的な往来を再開する必要があると呼び掛けた。
 論文を報じた記事は直ちに削除されたが、インターネット交流サイト(SNS)で拡散。波紋を呼んでいる。また、上海在住の著名経済学者、郎咸平氏はSNSで、母親がウイルス検査の結果待ちで救急治療を受けられず、死亡したことを報告。「一刻も早く経済活動を再開させないと、上海はらせん状に落ち込んでいく」と警告した。
 国際都市の上海は当初、経済への影響を抑えるため、都市封鎖に否定的だった。感染拡大が本格化した3月下旬以降は中央政府が防疫対策を指揮し「地元は口を挟めない」(市関係者)状況だ。
 ただ、金融市場からは連日、大量の資金が海外に流出。「在留外国人の5割が1年以内の退去を検討中」といった調査結果が判明し、市民の間では「もはや防疫ではなく北京の政治的なメンツの問題。上海の経済が殺されてしまう」などと不満が高まっている。
 当局は批判の広がりに神経をとがらせている。SNSでは最近「四月之声」と題する上海市民の苦情電話の内容をまとめた音声データが投稿され、話題になったが、即座に削除された。

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