ガンジー家、落日の様相 選挙大敗で要職辞任の観測も―インド

東京, 5月03日, /AJMEDIA/

インドで初代首相ネールらを輩出し、最大野党・国民会議派の精神的支柱となってきた名門ネール・ガンジー家が往年の勢いを失っている。2019年の総選挙で与党インド人民党(BJP)に大敗を喫し、その後の主要地方選でも連敗。一族が党要職を辞任する可能性も伝えられ、落日の様相を呈している。
 14、19両年の総選挙でBJPに敗れた会議派は、今年2~3月に実施された主要5州の議会選で全敗した。人口2億人を上回る北部の最大州、ウッタルプラデシュ州をBJPに押さえられたほか、州議会与党だったパンジャブ州では、地方政党・庶民党に議席の過半数を奪われた。
 選挙結果を総括した3月の会議派作業部会の前には、ソニア・ガンジー暫定総裁や、長男で前総裁のラフル・ガンジー党青年部議長とその妹が党要職を辞任する可能性が報じられた。ネール・ガンジー家の党運営への不満が背景にあるとみられている。
 地元誌インディア・トゥデーによると、ソニア氏は3月の会議で、党勢回復のためなら「いかなる犠牲も払う用意がある」と辞任の覚悟を語った。結局、会議では辞任要求の動きは表面化しなかったが、一族に対する不満はくすぶり続けているもようだ。
 外交筋は「会議派はネール・ガンジー家という『選挙の顔』抜きで戦えない」と指摘する。一方、19年の総選挙ではラフル氏の指導力欠如が露呈し、名門の威光に頼った選挙戦略の限界も明らかになっている。国立ネール大のハルバンズ・ムキア元教授は、2日の地元紙ヒンズーへの寄稿で「会議派には、末端の支持者の声をすぐに党幹部に届けられるような真の党改革が求められている」と指摘した。

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