EU、「脱中国」鮮明に 経済安保強化、人権重視

東京, 9月19日, /AJMEDIA/

欧州連合(EU)が「脱中国」の動きを鮮明にしている。欧州委員会は今月、中国を念頭に置いた二つの法案を発表。経済安全保障を強化し、民主主義や人権といった価値観を重視する姿勢を強く打ち出した。ロシアのウクライナ侵攻を契機に、中国への警戒感を一層強めている。
 「石油やガスと同じような依存関係に陥る事態は避けなければならない」。フォンデアライエン欧州委員長は14日の施政方針演説で、中国が生産の大半を占めるレアアース(希土類)の調達をめぐり危機感をあらわにした。EU域内のレアアース生産拡大に向けて投資を増やし、必要に応じて戦略備蓄を構築する狙いで、「欧州重要原材料法案」の提出を表明した。
 また、強制労働が関わる製品を排除する法案も公表。特定国の名指しこそしていないが、6月には欧州議会が中国による新疆ウイグル自治区の人権侵害や強制労働を非難し、法案策定を求めていた。
 ロシアのウクライナ侵攻は、欧州にエネルギー問題を突き付けた。天然ガスの4割をロシアからの輸入に依存してきたことが裏目となり、調達先の多様化を余儀なくされた。
 欧州委のシェフチョビッチ副委員長も12日、EUが目指す脱炭素社会やデジタル経済にはレアアースが欠かせないと主張。「対立関係によって、あらゆる物資が武器として利用される地政学的変化が起きている」と指摘し、「戦略分野では、(特定国に)過度に依存できないことが一層明確になった」と強調した。

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